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Departure

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Departure

 前回に続き、これも2年前の6月に日記として書き溜めていたものである。個人的には、我ながらT3のくだりは好きな文章で、今回投稿することにした。 

Hong Kong

 年度末の慌ただしい時期を迎えた頃だった。最悪とも言える(大袈裟でなく)1年間をなんとかやり過ごし、ようやく終わりが見えてきて、自分に何かご褒美をあげてもバチは当たらんやろうと思っていた。

 逃げたい、逃げたいと思い続け、結局エベレストより高いプライドが邪魔をして、逃げるタイミングまで失った私は、レールを踏み外さない範囲で高飛びしたい衝動にかられていた。

 ダメ元で、いつも一緒に旅してくれる親友に、年度末遊べないか声をかけてみた。案の定、まだ先の予定は分かりかねるし、まとまったオフは期待できないという返信があった。期待しないよう自分に言い聞かせていた私は、日帰りで大阪に帰ってブラブラしようかなんて用意していたサブプランを、落ち込みながら一人思い浮かべていた。

 ところが数日後、再度連絡が入った。急遽シフトに変更が入り、二日ほど遊べるということだった。素直に嬉しかった。そして、これまたダメ元で、私の高飛びしたい欲をぶつけてみた。嬉しいことに、親友は二つ返事で乗っかってくれた。  行き先は、香港だ。

 なんで香港?と聞かれても答えはなかった。日程が合う、行ったことがなかった、くらいのつまらない理由しかない。昨今の、やたら理由や理屈を考えさせる教育に少し疑問を持ち始めている私は、「だって、そう思うんだもん。」と、3歳児並の発想で声を大にして答えるだろう。

 さて、話がそれてしまったが、旅慣れている親友は、サクッとその場で航空券を手配してくれた。代わりに宿は、私が予約を入れた。あとは、各々でリサーチしておこうね、ということでその日は電話を切った。

 心待ちにしていた割には、あっさり迎えた当日の朝は、晴れているのか曇っているのか判断しにくい空模様だった。気温の方も、寒いんだかあったかいんだかよく分からない中途半端な気候だった。

 今回の旅は二泊三日の予定だが、半分一泊二日に近いようなスケジュールだったので、持ち物はバックパック一つだった。「旅慣れたもんだなぁ。」なんて我ながら思っていた。

 LCCで向かうので、関空のT2が集合場所だった。この十年でLCCなんてツールも市民権を得て、旅慣れしてる人ほどLCCを駆使する的な風潮もあるくらいだ。そのうち、月旅行ができるようになって、T3なんてものもできて、ロケットが配備される時代もそう遠くないだろう。ゴミは、増える一方だし、埋め立てるほか燃やせないゴミの処理の術を持たない現代人にとって、T3の建設なんて願ったり叶ったりなんじゃないだろうか。

 なんて、どうでもいい未来予想をしていると、いつしか関空の橋を渡っていた。実は、行きにこの関空の橋を渡るのが至福の時で、一番幸せとワクワクを感じる。

 到着したT2は新しいターミナルなので、綺麗で余計なものがなく、シンプルな造りが個人的にはとても好きだ。私は、ミニマリストではないが、素敵なターミナルだなぁと来るたびに感じている。このままごちゃごちゃせずにいてくれよ、と密かに願っている。笑

 着くと、アジア向けの旅行者が大勢チェックインをしていた。行き先が行き先なだけに、大学生が多い印象だった。それ以外は、海外の団体旅行と思われる人達だった。このアジア人独特の群れる文化は、いつから始まったのだろう。いつも思う。日本人だって例外なく、団体で移動し、行動する。欧米に対して圧倒的なコンプレックスを抱いている私は、ハッキリ言ってものすごくダサく見えてしまう。

 自分でやれよ、一人でできないの?って思ってしまうのだが、未だに一人で世界一周にも行けていない私が、言えることでもないのも重々分かっているので、心を無にして親友を待っていた。

 ほどなくして、親友と無事合流し、お昼ご飯を食べることにした。フードコートに向かい、うどんを頼もうとしたのだが、あいにくの品切れだった。仕方がないので、スイーツを頼んで空腹を満たすことにした。すると、相席させてもらった男性が「食べていいよ。」と、フライドポテトを差し出してくれた。なんでも、ビールとセットで頼んだ方が、単品で頼むよりお得だと頭のそろばんが瞬時にはじき出したそうで、ビールセットを購入したが、お腹が減っていないので食べる気になれないという。「じゃ、なんで買ったんですか?!」と、全力でツッコんだ。”お得”の前には「食べられるか否か」ということは関係なかったようだ。何とも関西人全開の思考を持った男性の行為に甘えて、私たちはフライドポテトをご馳走になった。男子は、韓国へ向かうという。ラフな格好をしていたが、ラップトップを開いていたので、仕事で向かうのかも知れなかったが、そこまでは尋ねなかった。私たちの行き先も伝えたりしながら、出発の時刻を待った。

 旅に出ると、こういった場面は少なくなくて、前にフィンランドに行った時もそうだった。父と空港でコーヒーを飲んでいたら、隣に座っていた中国の男性に日本語で話しかけられた。その方は、日本に住んでいた経験があり、私たちの日本語の会話を聞いて、声をかけてくれたのだ。「今はベルギーに住んでいるが、神戸にいたんだよ。」と話をしてくれた。その時のことをフッと思い出し、やはり空港という空間は、人をオープンマインドにさせる何かがあるなぁと実感していた。名前も知らない人とのそんな一瞬の会話が何故だかすっごく楽しくて嬉しくて、いつまでもこうして覚えていたりする。

 何だか、日本を発つ前までで話が長くなってしまい、肝心の現地での話に辿り着く前に力尽きてしまったので、今日はこれくらいにしておく。また気が向けば、PCを開きたい。

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